2007年3月25日日曜日

ドルフィンホテル

秋が深まっていく札幌で、さびれたホテルに泊まり、おいしいご飯と映画を観ながら彼女とすごす徒労な時間。見つけるたいものを見つけないと、とてもマズイことになるのに、見つけ方がわからない。
しかし、彼女はその状況で、欠けてる何かにではなく、新たな出発と発見の可能性に思いを置く。

羊についての考察

群れに属さないと人は狂う。アルコールが孤独を助けるのも少しの間だけで、気が付いたら狂気に拍車をかける。自分の世界をもとうとも立ち向かえる世界は限りられていて、自分の中に閉じこもろうとしても、誰から突然と手紙が来るみたいに、どこかの世界にひきずりこまれる。誰かとつながることが簡単にできる人でも孤独を求めて冬の大地に向かう。そこで、孤独になると死んでしまう羊に出会う。羊でも周りとは違う羊に出会い、羊の力を手に入れると、世界を制覇できる。群れにからはずれるはずの羊が、唯一の羊である時、羊であることの存在と定義をくつがえしつつ、形而上は羊であることの矛盾が、その羊への渇望を駆り立てるのだ。それが、羊をめぐる冒険なのかもしれない。

2007年3月22日木曜日

村上春樹

 マッシュポテトとウィスキーで食欲を満たし、生活から隔離されないまでも、生活を忘れたい時に村上春樹の本を読む事にしている。安心できるものがある。メタファーを考える事でベッドにもぐりこんで、おろかなことをかんがえずゆっくりと眠りにつく事ができる。

ジャズがあるし、お酒があるし、孤独だが、孤立していない世界がある。

その世界に踏み込むと、私はのめり込まないし、感情移入もしないのだが、ため息をついて幸せがうばいとられていくような安堵感よりもよっぽどましな、肩の力のぬける思いがするのだ。