秋が深まっていく札幌で、さびれたホテルに泊まり、おいしいご飯と映画を観ながら彼女とすごす徒労な時間。見つけるたいものを見つけないと、とてもマズイことになるのに、見つけ方がわからない。
しかし、彼女はその状況で、欠けてる何かにではなく、新たな出発と発見の可能性に思いを置く。
2007年3月25日日曜日
羊についての考察
群れに属さないと人は狂う。アルコールが孤独を助けるのも少しの間だけで、気が付いたら狂気に拍車をかける。自分の世界をもとうとも立ち向かえる世界は限りられていて、自分の中に閉じこもろうとしても、誰から突然と手紙が来るみたいに、どこかの世界にひきずりこまれる。誰かとつながることが簡単にできる人でも孤独を求めて冬の大地に向かう。そこで、孤独になると死んでしまう羊に出会う。羊でも周りとは違う羊に出会い、羊の力を手に入れると、世界を制覇できる。群れにからはずれるはずの羊が、唯一の羊である時、羊であることの存在と定義をくつがえしつつ、形而上は羊であることの矛盾が、その羊への渇望を駆り立てるのだ。それが、羊をめぐる冒険なのかもしれない。
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