2007年8月5日日曜日

船は大きく縦にゆれて、桟橋に着いた。桟橋の木版、かろうじて朽ち果てることなく、島の住人の往来を深い海の下から支えていた。ゆっくりと歩くと、波のリズムと歩調ががあう。港には寂れた灰色の打ちっぱなしの四角い小さな建物が見当たるだけで、他には何も建物らしき物はなかった。
この島で、しばらく暮らす事になるのこかと思うとげんなりしたが、潮の風を肺いっぱいに吸い込むと、まあ、どうにかなるか、という気分になってきた。