船は大きく縦にゆれて、桟橋に着いた。桟橋の木版、かろうじて朽ち果てることなく、島の住人の往来を深い海の下から支えていた。ゆっくりと歩くと、波のリズムと歩調ががあう。港には寂れた灰色の打ちっぱなしの四角い小さな建物が見当たるだけで、他には何も建物らしき物はなかった。
この島で、しばらく暮らす事になるのこかと思うとげんなりしたが、潮の風を肺いっぱいに吸い込むと、まあ、どうにかなるか、という気分になってきた。
2007年7月23日月曜日
2007年4月1日日曜日
2007年3月25日日曜日
羊についての考察
群れに属さないと人は狂う。アルコールが孤独を助けるのも少しの間だけで、気が付いたら狂気に拍車をかける。自分の世界をもとうとも立ち向かえる世界は限りられていて、自分の中に閉じこもろうとしても、誰から突然と手紙が来るみたいに、どこかの世界にひきずりこまれる。誰かとつながることが簡単にできる人でも孤独を求めて冬の大地に向かう。そこで、孤独になると死んでしまう羊に出会う。羊でも周りとは違う羊に出会い、羊の力を手に入れると、世界を制覇できる。群れにからはずれるはずの羊が、唯一の羊である時、羊であることの存在と定義をくつがえしつつ、形而上は羊であることの矛盾が、その羊への渇望を駆り立てるのだ。それが、羊をめぐる冒険なのかもしれない。
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